「専門職大学」の意味するもの

要約

金子 元久(筑波大学特命教授)

2017年に、「専門職大学」および「専門職短期大学」の制度が作られることになった。もともと大学と職業教育との関係は、単に職業的要求によるものではなく、社会的な階層性を含むきわめて複雑なものであった。今回の改革も戦後の単線型教育システムの中で例外的に作られた専門学校が、その地位を正当化し、大学との競争力を獲得するために政治的な力を動員したという側面も少なくない。またその背後には既存の大学への社会的な批判もあった。しかしこの改革は既存の大学においても「専門職課程」を作ることをも可能とした。21世紀の社会では産業構造が多様化し、流動化するとともに、モノや情報、あるいは人に対するサービスの需要が拡大し、それに対応していわば「流動的専門職」の需要が発生している。それに高等教育が対応することは大きな意味をもつ。その意味で、従来の大学も含めて、この新しい可能性に注目することが必要であると考える。

2017年10月号(No.687) 特集●大学教育の「実践性」

2017年9月25日 掲載