資料シリーズ No.73
若年求職者の適性評価
―キャリア・インサイトの利用記録を用いて―

平成22年6月25日

概要

研究の目的と方法

日本で最初に開発された本格的なCACGs (パソコンを使って、利用者自身が適性評価、職業情報の検索、適性と職業と照合、キャリアプランニングを実施できるシステム)であるキャリア・インサイトの利用記録を用いて、システムの利用状況および若年求職者の適性に関する特徴を明らかにすることを目的とした。

主な事実発見

(1)データ

本研究では、各パソコンのキャリア・インサイトのデータがインターネットを通じてJILPTが管理するサーバに集約される機能をもつキャリア・インサイトD版の設置協力施設14カ所において2007年9月から2009年10月までの間に集められた利用記録を分析の対象とした。

(2)利用概況

システムの利用状況をみると、システムの利用者の総数は7,678名、このうち回答記録を残す形での登録を行っていた者は3,879名であった。年齢が18-34歳の者に絞ったところ、対象者は3,645名となった。男女別では、男性が58.6%、女性が41.4%、現在の状況別では学生7.4%、有職者21.0%、その他71.6%となった。

使われている機能をみると、適性診断コーナーに用意されている4つの適性評価(能力、職業興味、価値観、行動特性)全部を実施した者は、全体の73.2%であった。一人あたりの平均利用時間は38.53分であった。

(3)適性評価の分析

 回答記録が残っている3,645名のデータを用い、4つの適性評価尺度に関して、男女別、現在の状況別に平均値の比較を行った。あわせて、希望する職種(事務系、技術系、営業系、専門系、製造・現場系)などその他の変数と適性評価との関連を検討した。

希望する職種別に能力評価の平均値を男女別にまとめたものが図表1および図表2である。能力評価は、リーダーシップ(指導力)、ボランティア&サポート(対人的支援)、プランニング(企画)、スポーツ&エクササイズ(運動・身体作業)、リサーチ&アナライズ(調査・分析)、コンピュート&アカウント(数的処理)、ハンドメイキング(手工技能)、アート&クリエイト(創造的活動)の8つの尺度で構成される。各能力の平均値を希望する職種間で比較してみると、男女間で傾向に違いはあるが、ボランティア&サポート、リーダーシップなどの対人系の能力は営業系で高い、もの作りに関連するハンドメイキングは技術系で高いなど、利用者は得意な能力を生かせるような職種を希望していることが示された。あわせて職業興味に関しても、利用者が希望している職種はキャリア・インサイトで測定された本人の職業興味の特徴と一致する傾向が見られた。

図表1 希望する職種と能力評価の関連(男性)

図表1 希望する職種と能力評価の関連(男性)のグラフ

図表2 希望する職種と興味評価の関連(女性)

図表2 希望する職種と興味評価の関連(女性)のグラフ

 

政策的含意

キャリア・インサイトは現在、ハローワークや若者向けの相談機関、大学、短大等の教育機関で利用されている。本研究はシステムを活用している各機関の相談担当者が、システムの適性評価尺度の理解を深める上で有効である。また、相談機関を訪れている若者の個性を適性という観点から理解するための資料として活用することにより、支援者の若者理解に貢献することができる。

本文

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執筆担当者

室山晴美
労働政策研究・研修機構 主任研究員

研究期間

平成21年度

入手方法等

お問合せ先

内容について
研究調整部 研究調整課 03(5991)5104

ご意見・ご感想

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