資料シリーズ No.71
アメリカとスウェーデンにおけるポジティブ・アクションの取組状況

平成22年5月24日

概要

研究の目的と方法

企業において男女の均等な機会や待遇の確保ができていない場合、その支障となっている諸事情を改善するための措置がとられる。それは「ポジティブ(アファーマティブ)・アクション」と称されており、男女雇用機会均等法の1997年の改正で関連する規定が盛り込まれた。この改正により、当初は積極的に取り組む企業が数多くみられたが、現在ではその動きは鈍化しているといわざるを得ない。大企業において取り組み事例が多く見られるものの、中小企業での取り組みは遅々として進まない状況にある。本報告書は、日本と比べて20年以上先行して取り組んでいるアメリカとスウェーデンの企業の好事例を紹介することを目的とした。

調査は、国内外の既存の文献調査と両国の専門家および政労使など関係機関に対するインタビュー調査を中心に実施した。

主な事実発見

2つの国に共通する取り組み

  • 制度面では、雇用機会均等を監督する行政機関が設けられており、男女の労働条件の格差を解消するための施策を実施している。政府による規制の基盤の上に立って、個々の企業の自主的な取り組みを行政が奨励している。
  • 企業は、 (1) 育児休業前後のフォローアップ体制の整備(育休に入る前に職務の負荷を軽減し、引き継ぎをスムーズに行えるような措置、育休後の復帰に備えて職務能力を回復するためのプログラム、復帰直後には職務負担を軽いものとし、段階的に育休前の職務範囲になるような措置など)、 (2) 就労時間・場所・形態の柔軟な措置(フレックスタイム、パートタイム就労、在宅ワーク等の制度)、 (3) 社内外の女性リーダー養成のためのプログラムに参加することを奨励。管理職への昇格は性別だけでなく、人種や肌の色等の分け隔てなく行う施策を明示、 (4) 社内の雇用機会・賃金水準を男女間で均等になるための施策を実施、そのために必要な社内の現状を把握するツールの開発(社内アンケートを定期的に実施して行動計画を策定する仕組みや、均等インデックスを用いて数値化することで男女の雇用機会均等の進捗度を明示するシステムなど)を行っている。
  • NPOや雑誌、労働組合が主催する優良企業表彰が行われている(アメリカにおける「カタリスト賞」や「ワーキングマザートップ100」、スウェーデンにおけるホワイトカラー労組UNIONENによる表彰)。

政策への貢献

アメリカのアファーマティブ・アクション・プログラム(AAP)のサンプルやスウェーデンの男女賃金格差を是正するためのツールなどの情報が政策立案・実行をめぐる議論の参考となった。

図表1 各国の特徴

図表1:各国の特徴/資料シリーズNo.71

図表2 女性の就業状況に関する数値の比較

図表2:女性の就業状況に関する数値の比較/資料シリーズNo.71

本文

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執筆担当者

北澤 謙
労働政策研究・研修機構 総務部総務課・コンファレンス課課長補佐
(2010年3月31日まで国際研究部 主任調査員補佐)

研究期間

平成21年度

入手方法等

お問合せ先

内容について
調査部 海外情報担当 03(5903)6274

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